最新記事:2015年03月15日更新
2015年03月15日更新
春眠暁を覚えず...どころか、年中惰眠をむさぼっている僕ではありますが。
春はやっぱり眠くなりますよねえ。
だけど、かの清少納言いわく、
「春はあけぼの、やうやく白くなりゆく山際...。」
空気の澄んだ朝のすがすがしさほど気持ちのいいものはないのもたしか。
彼女もまた温泉ファンであったことは、枕草子に「湯は七栗の湯、有馬の湯、玉造の湯」からも明らかで、女子力も相当だったのかもしれません。
ちなみに七栗の湯は榊原温泉(三重県)。古来より、前回の草津でもお手上げだった...「恋の病に効く」とされてきました。
榊原温泉でユニークな体験ができるのは湯元榊原館。館内に「酸化還元電位計測装置」が設置されています。源泉がアンチエイジングと関連する抗酸化作用が強く、チェックイン時とチェックアウト時にご自分の状態をチェックできますから、お試しあれ。
同館は、温泉医学の第一人者前田真治先生のご実家でもあります。
さて、話を睡眠に戻しましょう。
さわやかな朝を迎えるには、質の良い睡眠を取ることが大切。
睡眠は「身体の再生を図る役割」を担っていますから、女子力を維持するには非常に重要です。
睡眠の周期は約90分で繰り返しますが、大切なのは眠りについた最初のサイクル。ここで深い眠りにつけるかどうかがポイントになっています。
お風呂に関していえば、
「就寝1~2時間前にぬるめのお湯に浸かること」。
われわれの研究でも、シャワーより湯船に浸かったほうが、最初のサイクルで深い眠りの指標となる脳波の徐波成分が増えることがわかっています。
ぬる目がおすすめなのは、自律神経のバランスをリラックスモードに導く副交感神経を優位にするためです。
注:自律神経は、体を興奮モードに導く「交感神経」とリラックスモードに導く「副交感神経」のバランスが、意識することなく取られています。
もうひとつのポイントは、
「朝起きたら朝日(光)を浴びること」
地球の1日は24時間ですが、わたしたち人間の体内時計周期は25時間といわれています。
体内時計を制御するのが、「時計遺伝子」。その中枢を担うのが「親時計遺伝子」で、脳の視床下部に位置しています。
朝、目から光の信号が「親時計遺伝子」に届くと、全身の細胞にある「子時計遺伝子」に情報が伝達されます。そこで、体内時計のリズムのずれがリセットされる仕組みです。
「睡眠で身体の再生を図り、朝の光で身体のリズムをリセットする」
そんな積み重ねが、あなたの女子力をぐっと高めてくれるはずです。
含鉄泉はその名の通り湯に「鉄」を含む温泉(成分の定義は1kg中に20mg以上含むこと)で、
特徴のひとつに、「非常に老化しやすい」というのがあります。
と書くと女子の敵のように聞こえますが、入ると老化するわけではありません(汗)。
含鉄泉に限らず、湧出後温泉から溶けている成分が抜けていくのを「温泉の老化」とよんでいて、空気に触れると酸化する「鉄」は老化のスピードが速いというわけ。
ただし、老化とともに黄色や茶褐色、赤く色づくので、眼で見て楽しむこともできます。
浴用の適応症は、含鉄泉固有のものはありません(全泉質に共通する一般的適応症は該当)ので、あまりナーバスにならなくてもよいでしょう。飲泉許可がある場合は、鉄欠乏性貧血が適応症になりますので、酸化の進んでいない新鮮なものを飲むのが基本ですが、独特の渋味がありますよ。代表的な温泉として、不老ふ死温泉(青森県)、血の池地獄(大分県)を挙げてみました。
不老ふ死は黄土色がかっていて、含鉄-ナトリウム-マグネシウム-塩化物強塩泉。塩化物泉なのであたたまりの持続も期待できますし、・・・入るだけで健康長寿になりそうな名前ですね。こちらを訪れるなら、なんといっても海と一体化する露天風呂は外すことができません。日本海に沈む夕日を是非。
..あれ? さっきまで朝日の話だったような...。血の池地獄は、酸化鉄や酸化マグネシウムを含んだ真っ赤な熱泥を噴出していて、「赤い熱泥の池」と呼ばれています。こちらにはお風呂場はありませんが、血の池足湯を楽しむことができます。...、足湯で地獄に落ちることはないと思われます。
血の池地獄は、実は僕の記憶にある最初に出会った温泉です。真っ赤な大きな池にもうもうと煙が立ち込めていて、よほどインパクトがあったのでしょう。
あるいは、悪いことすると地獄に落とされると脅されたのかもしれませんが。