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【第6回】北海道シードルの魅力とシードルコレクション

2016年11月25日更新

北海道からリンゴをイメージされる人は、意外と少ないのではないでしょうか。北海道産リンゴを道外で目にすることは極めて稀で、主に道内で消費されています。私も北海道のシードルを調べ始めて、北海道が、収穫量全国7位のリンゴ産地であることを知りました。
今回は、11月12日(日)に札幌市で開催した「北海道シードルコレクション2016」のご報告を通じて、北海道のシードル事情を紹介します。cider06ka.jpgcider06po.jpg

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北海道では、対馬海流の暖流の影響により西側でリンゴが栽培できるそうで、各地でシードルも作られています。今回伺った札幌から見て、北は増毛町や深川市、東は三笠市、西に行くと余市町、そして南は壮瞥町や七飯町などが産地で、もちろん札幌市内でもリンゴが栽培されています。札幌は、人口200万を超える消費地で、そこを囲むようにリンゴやシードルがつくられています。

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北海道に行くと、外国産のリンゴが多いことに気づきます。例えば、シードルに英国産のブラムリーやコックス・オレンジ・ピピンが使われていたり、一般の人でもマッキントッシュ(日本名:旭)という今では珍しいリンゴを知っていたりと驚かされます。

その理由は、北海道におけるリンゴ栽培の歴史を振り返ると見えてきます。

明治に入り、政府の奨励や外国人の技術指導のもと、七飯町や余市町などで西洋リンゴ栽培が始まりました。昭和に入ると由仁町には私設農業試験場が作られ、英国産リンゴの研究や、本格的なシードルの醸造に挑戦もされていたそうです。現在、試験場は閉鎖されましたが、そのときのリンゴの苗木や穂木が周辺のリンゴ農家に分けられたと聞いています。

今、注目されている酸味が強いクッキングアップルなどの外国品種が、北海道では昔から栽培されているのです。

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北海道シードルコレクション当日は、予想を超える約220名の方が参加くださり、30種類超の世界のシードルを体験していただきました。北海道産シードルは以下の10銘柄をご紹介しております。
・増毛フルーツワイナリー 増毛シードル(増毛町)
・アップルランド山の駅おとえ ふかがわシードル(深川市)
・タキザワワイナリー シードル2015(三笠市)
・藤野ワイナリー シードルブラムリー2015(札幌市)
・八剣山ワイナリー すぱあくりんご(札幌市)
・中井観光農園 ナカイ ヨイチ・シードル(余市町)
・三氣の辺 SPARKRING WINE ブラムリー&ふじ(余市町)
・平川ワイナリー 藤城議 シードル "レソンシエル"(余市町)
・そうべつシードル(壮瞥町)
・はこだてわいん ななえりんごわいん Sparkling(七飯町)

北海道の人でも、なかなか道産シードルを飲む機会は少ないそうで、それを目当てに参加くださった人もいらっしゃいました。また、まだまだ生産量が少なく、今回在庫切れのため紹介できないシードルも3銘柄ありました。
北海道のシードルについては、別の回で生産者毎にフォーカスを当てて、より詳しくご紹介させていただきます。
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北海道といえば、カニや鮭、イクラなど魚介類、ジャガイモ、チーズなど、シードルにぴったりグルメがいっぱい。意外に知られていないのが、そば粉の生産量日本一ということで、今回はガレットをご紹介します。
イベントで気軽に食べられるガレットとして、最近増えているのがロールガレット。今回は、苫小牧にある究極のクレープ プチラパンさんが、幌加内産の新蕎麦を使ったガレットを提供してくださいました。

cider06g.jpg 究極のクレープ プチラパン(苫小牧市)
https://www.facebook.com/petitlapin2011/

ガレットの本場、フランスのブルターニュ地方は、有名なシードルの産地であることは、すでに皆さんもご存知だと思います。世界各地でも地産地消であることが多いシードルは、地元の食材とマリアージュすることが基本で、昔から蕎麦の食文化がある日本のシードルも、蕎麦粉を使ったガレットに合います。

北海道産シードルの魅力は、伝わりましたでしょうか。ぜひ、北海道を訪れた際には、道産のリンゴやシードルも味わってみてください。来年も、北海道シードルコレクション2017の開催を目指していきます。
(文・小野司)

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