最新記事:2016年09月25日更新
2016年09月25日更新
近年、欧米各国ではグルテンフリーなどの健康志向や、ロゼやフレーヴァードシードルの増加を背景にシードルの消費が伸びてきました。日本国内でも、大手ビールメーカーからワイナリー、リンゴ農家などによるシードルづくりが広まり注目されています。りんご産地や醸造所巡りを楽しむシードルツーリズムが盛んな海外産地もあり、観光立国を目指す日本においても、新たなグローカルな食文化として期待が高まっています。
8月28日に初開催した「東京シードルコレクション2016」は、フランス、イギリス、スペイン、アメリカ、ニュージーランド、そして日本の計6カ国約40種類のシードルをテイスティングしていただく貴重なイベントとなりました。シードルファンはもちろん、りんご農家、シードルメーカー、輸入事業者、酒販店、飲食店の方々が、北海道から沖縄まで全国から約300名が東京池袋に集まりました。前売り券も10日前に完売となり、予想を超えるシードルへ人気に多くの方が驚かれたようです。
今回、参加者全員が手にした「シードルガイド2016」は、シードル40種類、シードルを扱うお店24店舗、その他全国のシードルスポット21箇所を紹介した、シードルライフを楽しむ一冊です。会場では、このガイドをチェックしながら熱心にテイスティングする姿を目にしました。また、NPO法人りんご・シードル振興会(長野県飯田市)のご協力により、今年4月にドイツで開催された国際シードルメッセ参加のご報告いただき、日本のシードル生産者による国際交流の取り組みも紹介されました。
シードルの飲み方を提案するため、数々のコンペティションで輝かしい経歴を残された東京大森のBAR Tenderlyオーナー宮崎優子氏に、赤・青・黄色のりんごをイメージした3種のシードルカクテルをご提案いただきました。シードルをベースにしたカクテルは大変珍しく、見ても楽しめる美しいカクテルを堪能しました。
・完熟の甘酸っぱい 赤リンゴ「イヴ・ロワイヤル」
・夏にピッタリ爽やかな 青リンゴ「ミステリー・スプラッシュ」
・りんごの香りと蜜が口に広がる 黄リンゴ「ウイリアム・テル」
シードルに合う料理として人気があるのは、シードルの本場フランス・ブルターニュ地方のガレットです。今回は、現地出身のオーナーが経営する東京笹塚にあるメゾンブルトンヌ・ガレット屋さんが、現地のお祭りの定番メニューを紹介しました。
・仏ブルターニュのお祭りの定番で、ソーセージをガレット生地で巻いて食べる「ガレット・ソシス」
・豚∙牛∙たっぷりの野菜∙そば生地を煮込んだ ブルターニュ伝統ポトフ「キッグ ア ファルス」
・一口サイズで食べやすい創作ガレット「ピンチョス・ガレット」
スペインのリンゴ酒「シドラ」といえば、ボトルを高く、グラスを低く構え、シドラを泡立たせながら注ぐ「エスカンシアール」が有名です。
会場では、エスカンシアドール3名によりエスカンシアールされ、豊かな香りとまろやかな酸味に変わったバスク地方のシドラを試飲していただきました。
今回、参加者の皆さんが実感したことは、黎明期を迎えたシードルのおおいなる可能性でした。世界各国のシードルを体験された方々が伝道師となり、シードルの魅力が広く紹介されていくことを期待しています。
(文・小野司)
■コレクション参加シードル/サイダーブランド
【日本/シードル】
アサヒビール(東京)
アルカンヴィーニュ(長野)
Eclipse first(群馬&東京)
一里山農園(長野)
伊那谷クラウド Posh(長野)
オカノウエプロジェクト(秋田)
GARUTSU×東京ワイナリー(青森&東京)
喜久水酒造(長野)
キリンビール(東京)
シードル工房kimori(青森)
信州まし野ワイン(長野)
高畠ワイン(山形)
ノーザンアルプスヴィンヤード(長野)
はすみふぁーむ(長野)
軽井沢アンシードル(長野)
りんご屋たけむら(長野)
SAYS FARM(富山)
秋保ワイナリー(宮城)
安曇野帯刀りんご農園(長野)
【フランス/シードル】
アプルヴァル
ヴァル・ド・ランス
ヴェルジェ・デュ・ラ・カフィニエール
シードルリー・ユビー
ドメーヌ・ジュリアン・チュレル
ドメーヌ・デュポン
プレスティージュ
ラシャス
ル・セリエ・ド・ボール
クール・ド・リオン
【イギリス/サイダー】
アスポール
へニーズ
ミルワイツサイダー
ワンス・アポン・ア・ツリー
【スペイン/シドラ】
アスティアサラン
マエロック
マヤドール
【ニュージーランド/サイダー】
ゼファー
【アメリカ/ハードサイダー】
リヴァレンドナットハードサイダー