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2015年02月15日更新
皆さんはタイ料理とベトナム料理...、どちらがお好きでしょうか? あるいは、スペイン料理とポルトガル料理...、どちらが。さらには四川料理と広東料理......ってええかげんにせえ、自分。
僕自身はタイ料理、スペイン料理、四川料理のファンですが、共通するのは刺激が強いこと。
ニンニクや唐辛子、花山椒、パクチー...、想像するだけでわくわくしますよねえ。ひっくり返りそうになるほど辛いソムタム(パパイヤサラダ)、翌日ひんしゅくを買ってしまうことが分かっていても頼んでしまうソパデアホ(ニンニクスープ)、ほんとに火を噴いてしまいそうな火鍋...。そのわりに顔に大汗かいてしまうので、ちっともスマートではないのだけれど。
強い刺激は言葉を変えるとストレス(刺激自体はストレッサー)。ストレス...という概念を人類に持ち込んだのは、生理学者のハンス・セリエですが、ストレスは必ずしも悪者ではありません。適度なストレスは、生体に良い影響をもたらすことが知られています。刺激をどう受け止めるか...は、百人百様。また一人ひとりのコンディションにも左右されますので、場面場面に応じた程度の「刺激を楽しむ」のが女子力UPに役立つと僕は考えています。
体にやさしい入浴...は、体温に近い温度での入浴です。38℃程度であれば、マイルドに体温を高めてくれますし、心臓病や高血圧などをお持ちの方には最適でしょう。ですが、「健康であること」を前提として、「熱湯」がもたらす効用も解明されてきています。
「42℃に10分、41℃なら15分、40℃なら20分」を提唱されているのは、修文大学の伊藤要子教授。ポイントとなるのはヒートショックプロテイン(HSP)。体への熱の負荷(熱ストレス)で細胞内にもたらされる「ストレス制御たんぱく質」です。HSPが増加すると、「傷ついたタンパク質が修復されて細胞を守る」、「ストレスを防御する」、「免疫力を増強する」といった効果が期待されます。
このHSPを増加させる入浴法(HSP入浴法)の2日後にはHSPが増加するそうですから、スポーツ女子は試合やレースの2日前に照準を合わせて入ると、パフォーマンスの向上につながるかもしれません。また、低体温を改善する働きもあるのだとか。目安としては、汗がじわじわ出てきて、体温(舌下温)が38℃程度になるあたりと覚えてください。
ただし、なにより無理は禁物。ご自分の嗜好や体調に合わせることが肝心です。
入浴後の保温、入浴前後の水分補給も心がけて「免疫美人」を目指しましょう。
※詳しくは『ヒートショックプロテイン加温健康法』(伊藤要子・著/法研)を参考にしてください。
刺激が強い...とくれば、「酸性泉」を取り上げざるを得ません。なめてかかると強烈なパンチを食らう酸性泉と付き合うには、細心の注意が必要でしょう。成分の定義は、1kg中に1mg以上の水素イオンを含むこと。pHが2未満なら強酸性泉と呼ばれます(pH値が小さいほど強い酸性)。
酸性泉の特徴は、強力な殺菌作用。酸性度が強いと入浴で皮膚や粘膜にしみることもあります。レモンがpH2程度、胃酸がpH1.5程度と聞くとイメージがわきますよね。気になる方は、入浴後真水で成分を洗い流すと良いでしょう。
浴用での適応症は、アトピー性皮膚炎、尋常乾癬、皮膚化膿症といった皮膚疾患など。皮膚や粘膜が敏感な人、ご高齢で皮膚乾燥症の方は禁忌となっています。
注:療養目的の利用では状態の程度に配慮が必要です。かかりつけ医や専門医にご相談ください。
酸性泉で僕の印象に残っているのは酸ヶ湯温泉(青森県)、草津温泉(群馬県)。
酸ヶ湯(pH1.9程度)で圧巻なのは「千人風呂」。総ヒバ造りの浴室は体育館サイズの男女混浴で、脱衣室に近い右半分が「女子用」、左半分が「男子用」になっています。試していただきたいのは源泉そのままの「熱湯」で、肌にしみるような感覚を楽しむこと。間違って鼻や喉に入ってしまうと焼けるような刺激を受けますのでご注意を。もちろん、お湯に目をつけて眺めてみよう・・なんてことはいかに刺激好きでもやめておきましょう。
草津(pH2.0程度)は、誰もが認める日本を代表する温泉地。自然湧出量は日本一の3万2300リットル/分で、温泉街の中心に位置する湯畑からは、1年中膨大な湯煙が舞い上がっています。刺激の強さでなら、千代の湯で行われている伝統的な入浴法「時間湯体験」に勝るものはありません。
①湯もみ:草津節にあわせて、六尺程度の長板で湯をかき混ぜる
②湯かぶり:手桶で30~40杯頭にかぶる
③3分間の入浴:湯長の号令で45~47℃の温泉にみんなで一斉に入る
④蒸しタオル:上がった後蒸しタオルをかけてもらい休憩(繁忙期はなし)
しびれます。
体験の際は、ご自分の体調に十分配慮すること、湯長の号令やみんなの輪を乱さないこと...を、必ず心がけてください。
草津節にもあるように
「お医者様でも草津の湯でも 惚れた病(恋の病)はこ~りゃ~治りゃせぬよ」
とのことなので、あしからずご了承を。