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【第12回】『ゲームとチェスの遊び方』倉田操・著

2015年09月01日更新

暑かった夏もあっという間に過ぎ去って、もう9月。
日ごとに秋が深まっていくこの季節に楽しみたい、6つのボードゲームの遊び方をまとめた本が、今回ご紹介する倉田操著『ゲームとチェスの遊び方』(192ページ/昭和56年7月10日第9刷発行/品切れ・重版未定)です。

ch12_01.jpgタイトルに「ゲームとチェス」とありますように、チェスを中心に、そのほかドミノ、ダイス、チェッカー、バックガモン、ルーレットの5つのゲームが紹介されています。
今回はその中から、ドミノに注目したいと思います。
ch12_02.jpg

ドミノ倒しだけがドミノじゃない

ところで、ドミノって、並べて倒すためのものではなかったのですね。

「ドミノには、トランプと同じように種々のゲームがあります。(中略)一般にドミノは二人で遊ぶゲームですが、時には、三人、四人と多人数によってプレイすることもあります」

とありまして、ブロック・ゲーム、ドミノ・プール、ドロー・ゲーム、セバストプル、バーゲン・ゲーム、オール・ファイブ、オール・スリー、マタドール、スニッフという9つのゲームの遊び方が掲載されています。

ドミノの表側には、ふたつのサイコロの目が印されていますが、1〜6のすべての組み合わせと、何も印されていないもの(ブランク)との組み合わせを含め、全部で28の牌があるそうです。
ch12_04b.jpgch12_03.jpg

ブロック・ゲーム

では、「ドミノの最も代表的なゲーム」で、他のすべてのゲームの基本だという「ブロック・ゲームblock Game」をご紹介しましょう。

【人数】 2人
【目的】自分の手牌(手持ちの牌)を早くなくしたら勝ちです。
【遊び方】
1)
両者ともに7個ずつの牌をドロー(取ること)し、次いでセット(一番始めに出される牌のこと)を決めてから、マッチング(セットに続けて牌を並べること)を行います。

すなわち、ひとりがまず1個を出し、以後、交互に右側のオープンエンド(出された牌の左右両側のこと)につながる牌を出していきます。
ch12_05.jpg2)
こうして、最初に全部の手牌を出し終えたプレイヤーが「ドミノ(或いはアウト)」を宣言したなら、ゲームは終わりで、相手のプレイヤーは、残りの手牌のピップ数(目の数)の合計だけの点数を「ドミノ」宣言者に与えなければなりません。

例えば、Aがドミノを宣言した時、Bの手牌が2-3、3-5であったとすれば、Aは13点を獲得することになります。

3)
プレイの途中でマッチングできる牌がなくなったら、そのプレイヤーは「ゴー」を宣言しなければなりません。この場合、交互に手牌を出すという原則はくずれて、相手のプレイヤーはもう一個の牌を続けて出すことができ、更に「ゴー」宣言者がマッチングできるまで何個でも出せます。

4)
また一方がドミノを宣言する前に、両者共にマッチングできなくなることを「ブロック」と言い、この場合は、両者の手牌のピップ数の合計を比較して、少ない方がその差だけ勝ちになります。

5)
こうして、何回かゲームを続けているうちに、どちらか一方が50点(または100点)に達したら、勝負は終わりになります。

......どうでしょう? 面白そうですね。

本文では、さらに、作戦についても触れています。

【作戦】
このゲームで必要なことは、同じ牌は一個もないことを念頭に置いて、自分の手牌の出し方で相手にマッチングさせないように努め、また相手に高点の手牌を残させるような作戦を立てることです。

このためには、出来るだけスート(種類)の異なる牌を手牌に残すのが有利ですが、同じスートの牌をたくさん持っている時は、なるべくそのスートがオープン・エンドになるように牌を出して、相手をブロックさせるのです。また、自分の手牌の点数を少なくするように心掛けることも大切です。

ルールは簡単、単純に並べていくだけのようにみえて、限られた手牌を駆使しての頭脳戦です。牌を手作りしても楽しめます。秋の夜長に、ぜひ、挑戦してみてください。

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