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【Vol.13(最終回)】富山ののびしろ

2015年11月30日更新

北陸新幹線開業から半年がすぎましたね。首都圏にお住まいの皆さんは毎週末、北陸に繰り出していることでしょう。

金沢の漆器屋さんに勤める友人に、新幹線開通によるビフォア・アフターを聞くと、「来客数も劇的に増えたし、売上も1.5倍になった!」と驚異の証言。金沢駅構内のコンビニの店員さんにも状況を聞くと「人はほんっと、増えましたねー」となんとも頼もしいお返事。

対する我らが富山はというと、富山駅周辺でお店を営む知人に聞いたところ「...うーん...、...どんながかねえ...まあ、多少...」
(訳:どんながかね→どうなんだろうね)

...富山ののびしろはまだまだ有り余っているようです。可能性の塊です、たぶん。

この事態を、危惧していたまさかの「金沢ひとり勝ち」とは思いたくありませんが、蓋を開けてみれば富山には思わぬピットフォールが用意されていました。
新幹線開通前、京都・大阪など関西方面から富山に行く時は、特急サンダーバードに乗りさえすれば到着していた。だが開通後、富山−金沢間の特急サンダーバードが運行しなくなった。ということは一度、金沢で新幹線に乗り換えなくてはならなくなったのだ!つまりは、

ふ、不便!

新幹線フィーバーによって、富山−関西間のアクセスが不便になるという悪魔の取引が水面下で行われたようです。富山−金沢間の新幹線の乗車時間はたった20分。短時間の新幹線ライドで、ちょっとしたセレブ気分を味わってみよう! と無理矢理ポジティブに捉えてみましたが、なぜ以前のまま特急を通してくれなかったのか、釈然としない気持ちは置き去りのまま。私が田中角栄だったら有無をいわさず通してるんですがねっ。

そういうわけで富山と金沢の観光客の増加率の違いは、関西からも関東からも乗り換えなしで来ることができるかどうかが一因となっているのです。と、アクセスのせいにしておきます。

しかし、先ほども申しましたが富山は「可能性の塊」なので(たぶん)、特急が通ろうと通るまいと、魅惑のスポットがまだまだ眠っているはず。ここですべてを紹介したいところですが、泣いても笑っても私が田中角栄でなくても、ウェブ連載「やわやわとやまの旅」は今回で最終回です。

読んでくださった方、取材にご協力いただいた方、編集担当さん、本当にありがとうございました!みなさんのおかげで、ウェブでの連載から初めての本を出版することができました。この場をかりてお礼申し上げます。そして拙著『やわやわ富山・金沢の旅』は今も好評発売中です!

『やわやわ富山・金沢の旅』を片手に、騙されたと思ってぜひ一度は富山にいらしてください! 富山は逃げも隠れもいたしません。来たらきっと、立山の美しさに圧倒され、回転寿司のクオリティの高さに唸ることうけあいです。そしてなにより都会にはない、のんきできれいな空気に浸って、存分に「やわやわ」できることでしょう。
(「やわやわ」とは富山弁で「ゆっくり」の意味です)

それでは、いつかまたどこかでお会いしましょう!
富山の応援団長、みやこ小路でした。
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00685mini.jpg☆書籍『やわやわ富山・金沢の旅』好評発売中!

富山出身のイラストレーターみやこ小路が、気になる地元スポットをいじりたおすコミックエッセイ!

井波彫刻の技術を駆使して作られた伝説のギターを欲しがったり、富山のソウルフード、鱒寿司の手作り体験でご飯を詰めすぎたり、能登半島での塩作りでは、娘がスカウトされたり...。

.....、えっと、いろいろやってます!

http://www.kohyusha.co.jp/books/item/978-4-7709-0068-5.html

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